闘将!!川蜻蛉 代々木に立つ!!
昨年、右手中指脱臼、左鎖骨骨折の為、欠場。
涙を飲んだ・・
今年も、闘猛の熱い夏がやって来た!
鹿と戦い、滝に打たれ、山を駆け、この日の為に修行して来た。
2008年8月9日 全日本空手道剛柔会全国大会
流派云々を説明すると長くなるので割愛。
簡単に言うと、剛柔流空手は伝統一派と呼ばれ、組手は「寸止め」で行われる。故に、寸止め・伝統空手は弱い、実践では使えない・・等と揶揄されているが・・
当流派では、伝統の技を継承する為、「何でもあり」の組手「自由組手」と言う競技がある。
通常、禁止されている 金的・膝・肘・ローキック 当然、顔面もありだ。なので、「何でもあり、何でも自由な組手=自由組手」と言う訳だ。
それ故に、出場選手は18歳以上有段者であり、師範の推薦がないと出場資格が無いと言う 恐ろしい競技。。 毎年、負傷者続出の全国大会メインイベントだ。
結果は・・惜敗であった。
昨年、同じ支部の先輩を倒した相手であり、敵討ちとは建前で、勝てば先
輩を越える!
との思いで立ち向かった。相手は、4段 道場持ちのプロだ・・
何度か接触した後、中段前蹴りが鳩尾を貫く。
返す足は、そのまま円弧を描き オイラの顔面を捉えた。
ミッシと骨の軋みを感じると、口の中一杯に鉄の味がした。
その後はよく覚えていない、鼻血を出して、涙を流して、赤くそまったヨダレ
を垂れ流し・・
蹴られた右腕が痺れて言う事を聞かない。
ローキックで左足は立っているのが精一杯だ・・
2分間の激闘、相手も目を充血させ、口元からは血を流している。
判定は、2対1 で相手の勝ちだ。
顔面の穴と言う穴から液体を流したオイラと、相手は抱き合った。
互いの健闘を称えて・・ 「汚いですよ」と言うと、「汚いもんか!ありがとう、
良い戦いが出来た」と言ってくれた。格下のオイラなのに。。
今年で37歳。
初出場した3年前、鳩尾を蹴られ崩れ落ちる、オイラを見て死んじゃうよ!
と涙した長男よ。(世界チャンピオン戦1回目)
2年前の大会では、成す術無く敗れ去った悔しさを、共に涙し、分かち合
った次男よ。(世界チャンピオン戦2回目)
昨年、骨折を押してエントリーしたオイラを必死に止めた妻よ。
男ならば、格闘家ならば、1度は夢見る「最強」の2文字。
父であり、夫である前に、オイラは 漢 でありたい。
金も地位も名誉も何も無いが、誇りと名誉の為だけに戦い、
血を流す事が無駄だろうか。。
その答えは、きっと・きっと あの場所にあり、目の前に立つ好敵手が教えてくれると思う。
その答えを得る迄は、立ち続けたい。
数年後、息子があの場で、オイラの目の前に立ちはだかる日迄。
もう出るな、出ないで良い・・と言ってくれる 師匠。
師匠は今年で43歳。新進気鋭の若手時代、世界を狙えると太鼓判を押された程の人。しかし、事故で両手の指の大半を失い、出血多量で死の淵に立った時、教え子顔が浮かび、三途の川から生還したと聞いた。
師匠、オイラも教え子でしょ?大会には出られない、自ら闘う事が出来ない師匠に代わり師匠の手となり、足となり 師匠が提唱した「受け手の組手」。
その戦いを実践し、出来れば表彰台に登りたい。。 闘猛の熱い・熱い夏は終わらない。
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